レンズを通してみると、世界がかわって見えます。
遠くのものが近くに見えたり
近くのものが遠くに見えたり。
細いものが太く見えたり。
太いものが細く見えたり。
美しいものが、歪んで見えたり。
人間の眼の中にもレンズがあります。
そのレンズは「水晶体」という名前で、ものを見るのに必要なパーツです。
水晶体を通して映された像は、本当にありのままの姿でしょうか。
貴方が、私が観ている世界。
必ずしも真実を映しているとは限りません。
目のレンズ。
頭のレンズ。
心のレンズ。
私達が認識している世界は三つのレンズによって歪められています。
一つのレンズでも激しく歪むことのある像。
そのレンズが結んだ像をさらに歪める次の像。
仮に対象と実像が合同になったところで
対象と実像は同一ではありません。
その合同すら極めて低い確率でしか得られないのです。
残念なことに私達はこれらのレンズをはずすことは出来ません。
これらのレンズを外してしまえば物は見えません。
だから、レンズを外したり、実像に近い映し方をする等倍レンズに近づけようとしたりする必要はありません。
というより、出来ません。
大切なのは、自分の持つレンズの特性を理解すること。
そして、ありのままの、レンズが結んだ像を特性の面から理解すること。
たった一つしかない三枚のレンズ。
大切にして下さい。
20070306 Takami Simon