帰り道(by:春羽伺剣)

 

いつもの帰り道。
雨が降ってる。

傘を忘れて困っていた僕に
傘を傾けてくれた君。


角を曲がった先。
いつもの駅。

反対側のホームで
また明日って手を振った君。


ほとんど鳴ることのなくなった
壊れかけの携帯電話。

壊れたらどうするのって
呆れながら笑っていた君。


特別とも呼べない
当たり前の日常が
特別だったと気付いた。
今更。


どんなに探しても
もう君は――。

 

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