耳掻き(by:春羽伺剣)

 

煩い人の声を
意識の外に追いやって眠る。
此処はとても居心地の良い日溜り。

庭の木々の柔らかな匂い
木々の隙間から洩れる鳥の歌声
私に触れる、心地良い春の日差し


大きく伸びをして起き上がると
日没を告げる涼しい風。
私が起きたのを見て
再び煩い人の声がする。


煩い人の声を
意識の外に追いやって耳を掻く。
ついでに前足を舐め、顔を拭く。

私たちの時間は、これから。

 

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