満月(by:春羽伺剣)

 

窓から外を見たその一瞬。
綺麗な満月が私の目に飛び込んで
そして、消えた。

バスから降りて空を見上げると
それは固い固い不透明の空。
周りは冷たく重い灰色の壁。
月の光さえつかえられず
不気味な白い灯に包まれ立ち尽くした。

そして歩いた。
この空が
この壁が
あの月を手離すまで。

歩いて
歩いて
歩いて

 ・
 ・
 ・

固い空が割れて
色を失った満月が顔を出した

 

(コメント)
こんな都会の田舎でも、空は狭いです。
街灯に照らされて満月の光が失われている。
…そんな詩を(笑)

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