涙(by:春羽伺剣)
時を刻む針の音が響く。
眠れなくて…気付けば時計の針は“L”の字を作っていた。
夜明けにはまだ早すぎる、静かな時間。
すべてが嫌になって、あぁ、生きることすらどうでもいい。
この居心地の悪い世界。すべてがマイナスの世界。
生きることに希望の持てない世界。
死ぬことすら望めない世界。
どうして“生”を受けてしまったのか。
暗い空から落ちてきた一粒の雫が頬を濡らしていた。
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